「AIがコードを書く時代、プログラマーは不要になるのか?」
この問いに対する答えは、YesでありNoでもあります。
仕様書通りにコードを書くだけの「コーダー」は間違いなく淘汰されます。しかし一方で、AIを使いこなす「エンジニア」の市場価値は、かつてないほど高騰しています。
AIに仕事を奪われる側と、AIを優秀な部下として従える側。両者を分ける決定的な「たった1つの条件」について、技術人材育成の観点から紐解きます。
1. 「How」の価値暴落、「What」の価値高騰
これまでエンジニアの価値は、アルゴリズムの実装力や、特定の言語(JavaやPythonなど)の文法知識といった「How(どう作るか)」に比重が置かれていました。しかし、この領域はAIが最も得意とする分野です。今や、自然言語で指示すれば、AIが数秒で高品質なコードを出力します。
How(実装技術)
- ・文法・構文の暗記
- ・アルゴリズムの実装
- ・定型コードの記述
What & Why(要件定義)
- ・ビジネス課題の理解
- ・システム要件への翻訳
- ・アーキテクチャ設計
相対的に価値が高まっているのは「何を作るべきか」を決める力です。曖昧なビジネス要件を整理し、AIという優秀な部下に的確な指示を出す「言語化能力(プロンプトエンジニアリング)」こそが、AI時代の実装力と言えます。
2. 「目利き」としての責任能力
AIを部下にする人に求められるもう一つの条件は、「最終責任を取る覚悟」と「目利きの力」です。AIは平気で嘘をつきますし、セキュリティ脆弱性のあるコードを書くこともあります。AIが出力した成果物を盲目的に信じる人は、仕事を奪われる側に回ります。
「基礎力」がないとAIに使われる
「AIが書いたから大丈夫」ではありません。
出力されたコードをレビューし、バグを見抜き、セキュリティリスクを判断する。この「検品プロセス」においては、従来の深い技術知識が依然として必要不可欠です。
AIは「初心者」を助けるツールではなく、「熟練者」を加速させるブースターなのです。
3. 作業者から「コマンダー(指揮官)」へ
これからのエンジニアの姿は、キーボードを叩き続ける「作業者」から、複数のAIエージェントを指揮してプロジェクトを遂行する「コマンダー(指揮官)」へと進化します。
コマンダー型エンジニアに必要なスキルセット
- ✔
オーケストレーション能力: コーディングAI、テストAI、ドキュメントAIなど、異なるツールを組み合わせてワークフローを構築する力 - ✔
システム全体設計力: 細部のコードにとらわれず、全体最適の視点でアーキテクチャを描く力 - ✔
決断力: AIが提示した複数の選択肢から、ビジネスインパクトを考慮して最適解を選ぶ力
By Affelhansa Strategic Research












